レトロ印刷の原稿をつくる時に最も重要なポイントは、
仕上りサイズをイメージし、1色につき1ファイル、すべてモノクロで作ることです。
さらに混色させたい場合は、混色具合を考慮しながら作成します。
原理は単純ですが、その分なかなか奥が深いんです。
では、項目ごとに順を追って見ていきましょう。
レトロ印刷では、使用する色ごとに版を作り1色ごとに印刷していきますので、版画のように使う色数分版を分け、1色につき1ファイルで作成して下さい。
仕上がりイメージを作ってから分けていくと作りやすいです。今回は3色になるので、色別に分けるとこんな感じで3つになります。
色分けができましたが、これで終わりではありません。
先ほど分けた原稿をモノクロ(グレースケール)に置き換えます。
カラーデータをグレースケールにしただけだと色が薄くなりますので、再度グレースケール上で濃度を調整しましょう。 レトロ印刷では、使用する色ごとに単色の版を作り1色ごとに印刷していきますので、データ上の色は印刷には反映されません。
その為、CMYKやRGBのカラーで作られたデータのままでは、色が薄くなったり仕上がりがイメージと大きく変わってしまいます。また、画面上の濃淡が印刷濃度に反映されますので、濃度別にデータを分ける必要はありません。紙原稿も必ずモノクロでお作り下さい。
レトロ印刷のインクは、色を重ねると混色してまったく別の色を表現できます。今回のイラストでは紙の毛の部分が混色しています。重ねる色の濃淡を変えればさらに表現も増えていきます。
多色になればなるほど混色も複雑になりますので、実際に印刷してみないと分からない事が多いですが、色々な混色で遊んでみてください。
インクは混色しますので、別の色同士が重なるデザインの場合、重なる部分に「白抜き」を作ると混色せずに印刷できます。しかし、レトロ印刷ではズレが発生いたしますので、白抜き部分も微少にズレて印刷されます。この版ズレ効果によってレトロ印刷独特の味わい深い仕上がりとなります。
フチあり印刷の場合は、上下左右に5mmずつの余白を必ずおつけください。余白部分に入っているデザインは印刷されません。紙原稿の場合も同様に、仕上りサイズの上下左右に5mmずつ余白をつけて原稿をお作りください。
原稿はご指定のサイズで正確に印刷するため、仕上がりサイズに、トンボ・塗り足しを必ずお付けください。テンプレートがあるサイズに関してはテンプレートをお使いください。
テンプレートをご利用の場合は、カラーチップから使用したいインクの色を選択し、○の中に入れ、ファイル名をインクの名前で保存してください。
基本的にテンプレートを使用していただいておりますが、使用しない場合も必ずファイル名にインクの名前を入れてください。
原稿作りの基本はこんな感じです。お分かりいただけたでしょうか?
あとはデータを作る際の注意点を確認しながら原稿をつくりましょう。