レトロ印刷は、リソグラフ専門の印刷サービスです。

  • ペラ・中厚紙印刷
  • 厚紙印刷
  • ツヤプリ印刷
  • 製 本
  • 加 工
  • 試し刷り

J1サイズ

範囲内の自由なサイズでご注文いただけます。トンボを付けてご入稿ください。


短辺は最小30mm以上必要です。

レトポ

はがき/ポストカード定形

一般的なポストカード・はがきサイズのツヤプリ印刷です。

中綴じミシン製本

紙の真ん中をミシンで縫い綴じ、半分に折って仕上げます。糸端の処理は「のり有」と「のり無」の2タイプあります。

追加断裁

仕上がりサイズから追加で断裁を行います。ひとつのご注文で複数デザインを作成したいときや、一筆箋などにおすすめです。

ペラ/中厚・厚紙 試し刷り

レトロ印刷はズレやムラ・かすれが特徴の印刷です。初めてのご利用や多色刷りの場合、まずは試し刷りをおすすめします。


試し刷りはA3またはA4(B4またはB5)サイズでの納品です。断裁・加工は行いません。

仕上がりの注意点

レトロ印刷は仕上がりが均一にならない印刷です。
ご注文いただく前に必ずお読みください。

仕上がりの注意点

レトロ印刷の印刷物は、オフセット印刷のように均一な仕上がりになりません。

レトロ印刷はリソグラフによる印刷となります。版ズレや、色ムラ、かすれがランダムに生じるため、同じデータで印刷しても1枚ごとに微妙に異なる仕上がりになるのが特徴です。インクの濃淡も、同一条件での印刷であっても全く同じにはなりません。

一般的な印刷では不備と見なされるものも、レトロ印刷では「アジ」として捉えるため、仕上がりのご希望によっては、レトロ印刷での印刷が不向きな場合があります。

このページでは、仕上がりで想定されるリスクとその軽減策をご案内します。

1

版ズレ

リソグラフ印刷は、インクを1版ごとに重ねていく印刷方法のため、版ズレが起こります。版ズレはランダム(★)に生じ、ぴったりと位置が合うこともありますが、基本的には1枚1枚違ったズレ方をします。

(★)ズレ方は製版ごとに異なります。一方向にズレ続けた仕上がりになったり、小さい仕上がりサイズのものは複数配置して印刷するため、場所によってズレ具合が異なった仕上がりになる場合があります。増刷の場合でも同じ仕上がりにはなりませんのでご了承ください。

版ズレの目安として、最大で2~3mm以内のズレは保証の対象外となります。「抜き合わせ部分をやや太らせておく」「抜きではなくノセにする」(右図)など、あらかじめズレを想定したデータを作成いただくことで、版ズレが目立ちにくくなりますのでご検討ください。

また、細かい位置合わせを要する印刷は、1mm前後のズレでも大きくズレて感じられますので、デザインされる際はご注意ください。特にベタ面積が多いデザインや、印刷機に何度も通す多色デザインでは、用紙の変形によりズレが発生しやすくなります。

データの作り方でズレを目立たちにくくする

抜き合わせのトラッピングを調整することでズレを目立ちにくくする

2

ローラー跡

A3・B4・J1・J2サイズの片面3色以上または両面印刷で、短辺の真ん中を結ぶライン上に、幅30mmほどのタイヤ跡のような汚れが出ることがあります。

リソグラフは1度に片面2色しか印刷できないため、片面3色以上または両面印刷は、印刷機に2回またはそれ以上通して印刷を行いますが、このときすでに印刷されたインクの上を印刷機の給紙ローラーが通ることで発生するのが「ローラー跡の汚れ」です。

上記以外のサイズでは、なるべく給紙ローラーを避けて印刷を行うため、それほど気にする必要はありませんが、サイズやデザインによっては出てしまう場合があります。

ローラー跡が気になる場合は、給紙ローラーの通り道にあるベタの濃度を落としたり、通り道からずらすことで軽減できますのでご検討ください。

印刷のタネ:ローラー跡ってなに?

ローラー跡が出やすいサイズと位置

印刷部分を給紙ローラーが通ることでローラー跡が生じます

3

針跡

濃いベタ面の印刷が、A3・B4サイズの短辺の真ん中を結ぶライン上にある場合に、このライン上に針で引っかいたような汚れが発生することがあります。

印刷されたばかりのインクは粘り気があり、印刷機の中にある紙とインクドラムをはがすための針状のパーツが、ベタ面を印刷してインクがたっぷり乗っている印刷面に触れてインクを引きずってしまうために起こります。

針跡の発生は、ベタの濃度をK90%~80%程度に下げることで軽減することができます。

印刷のタネ:針跡ってなに?

針跡が出やすいサイズと位置

ベタ部分に盛られたインクに針がこすれることで針跡が生じます

4

端ブレ

印刷機の中で印刷された瞬間の紙は、インクドラムに張り付いており、印刷機内部の針とエアー(紙とドラムを分離させる風)ではがして排紙を行います。紙の端に濃いベタがある場合、紙とインクドラムがスムーズにはがれず、紙の端の印刷がブレてしまうことがあります。

完全に回避することは難しいですが、「なるべく短辺の端からベタ部分を離す(フチあり印刷の余白は5mmですが、6mm以上で作成する)」「端部分のベタ濃度を下げる」ことで軽減されます。

断裁前(A3/B4)の状態で紙端に濃いベタがある場合に発生するため、トンボ印刷では発生しません。

印刷のタネ:端ブレってなに?

端ブレが出やすい位置

印刷の濃度を下げると端ブレが軽減されます

5

ベタの印刷

リソグラフは印刷の構造上、紙の全面に濃いベタがあるような印刷はあまり得意ではありません。インクは水分を多く含むため、濃度の高いベタ部分はムラや、ペラ紙では波打ちが発生しやすくなります。また、多色印刷の場合は上記「ローラー跡」や「針跡」など、汚れのリスクが高くなります。

ベタによる紙詰まりなどで印刷ができない場合は、お客さまにご連絡の上で濃度を下げさせていただいております。

レトロ印刷で発生するリスクはベタの濃度を少し下げるだけで回避できるものも多いので、全面に濃いベタを用いるようなデザインでは、ベタの濃度はK80~90%程度に、ベタ同士の混色ではそれぞれのインクをK70%程度に下げたデータでのご入稿をおすすめします。

全面ベタは濃度を下げる

面積の広い濃いベタは印刷ができないことがあるため、濃度を下げてください

6

紙粉(しふん)汚れ

レトロ印刷ではリソグラフと相性の良い、インクの吸収が良い紙をそろえているため、一般的なオフセット印刷の用紙と比べて紙粉(紙から出る細かい繊維のほこり)が出やすいです。

ローラー跡と同様に、給紙ローラーの通り道にあたる部分は紙粉が出やすいため、このライン上にベタや小さな文字があると、小さな文字は潰れ気味になったり、ベタ部分には紙粉汚れが目立ちやすくなります。

印刷の際にある程度の紙粉汚れは取り除きながら作業を行っておりますが、完全に防ぐことはできません。

特にハトロン紙・ポッポ紙のウラ面(ツルツル面)や、クラフト紙・レトロ紙は、紙粉が出やすい紙となりますので、給紙ローラーの通り道にベタや細かい文字を配置される場合はご注意ください。

紙粉による印刷つぶれの例

紙粉による印刷つぶれの例の写真

紙粉が出やすいサイズと位置

給紙ローラーの通り道は紙粉が生じやすくなります

7

余白や枠の不均等

レトロ印刷では、印刷・断裁ともに最大で2~3mmのズレが生じます。四辺に枠のあるデザインや、均等な余白を残すようなデザインは、均等な仕上がりになりません。

枠線は仕上がり線に近く細いほど、フチに余白を残すデザインは余白が狭いほど、ズレが目立ちやすくなります。枠線や余白は、可能であれば太め・広めに配置していただくことをおすすめいたします。

印刷のタネ:枠のデザインにご注意!

細めの枠や余白はズレが目立ちやすい

ランダムな版ズレにより細枠はズレが目立ちやすいです

少し太めにすると目立ちにくくなる

枠を太めにつくることでズレを目立たなくできます

8

小さいサイズ

断裁は手作業と目視でメモリ合わせを行うため、小さなサイズになるほど精度が下がってしまいます。(また、インクを吸った紙やツヤプリ加工で熱処理を行った紙は変形しているため、サイズが1~2mm前後したり、若干ゆがんだ仕上がりになる場合があります。)

断裁可能な最小サイズは30mm×55mmですが、これは断裁機で切れる最小サイズであり、精度を保てる基準ではありません。小さなサイズの断裁は少し台形になってしまったり、折り加工では角がぴったり合わないことがあります。

名刺・カードサイズ(レトポミニ)やA6サイズ以下の仕上がりサイズでご注文の場合、これらの注意点をあらかじめご理解いただいた上でご注文ください。

小さいサイズはゆがみやすい

断裁作業は手作業のため、小さいサイズは誤差が生じやすくなります

9

網点(あみてん)

リソグラフ印刷の濃淡は、「網点(あみてん)」と呼ばれる小さなドットの密度によって表現されます。

入稿データ・原稿上で、黒(K)が100%の濃さのときには網点は大きく隙間なく密接しベタ100%の印刷となります。逆に、黒(K)の濃度が下がると網点は小さく隙間が増えるので、印刷が薄く見えます。

細い線や小さな文字の濃度が低すぎると、網点の密度も低くなるため線の途切れや欠けが生じます。背景ベタ上に抜き文字などを配置するときも、ベタの濃度や文字の大きさ・太さによっては馴染んで読めなくなってしまいます。

小さな文字や細い線は濃い目に、背景ベタ上に抜きを配置する際の背景は濃い目に作成されることをおすすめします。また、濃度の低いドットはモアレが発生しやすいためご注意ください。

ラボ:レトロ印刷での「トーン」の仕上がり

※クリックで拡大します

10

ウラ透け

リソグラフ印刷は、紙にインクの水分を吸わせて印刷するため、紙やインクの種類によっては印刷が紙の反対側に透けて、文字などが読みづらくなってしまうことがあります。

濃度が高い印刷(特にベタ部分)ほどウラ透けは起こりやすいため、ウラ透けが気になる場合は濃度を下げてご入稿ください。

ウラ透けの例(ハトロン紙)

ハトロン紙は裏透けが目立ちます

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厚紙の紙端めくれ

厚紙のフチありA3サイズは、給紙時の摩擦で紙端にめくれが発生する場合があるため、フチ幅を10mmとさせていただいております。(フチ部分は印刷されないため、実際の印刷可能範囲は277×400mmとなります。)

フチありA3サイズ以外の厚紙印刷は、余白フチの有無に限らずすべて裁ち落とし仕上げとなるため、紙端のめくれは発生いたしません。

厚紙A3の紙端めくれ

厚紙A3サイズは給紙時の摩擦で紙の端にめくれが生じやすいです

試し刷り、できます。

データの濃さは大丈夫かな? 混色は上手くいくかな?
そんなときは試し刷りをご利用ください。

  • 試し刷りはレトロ印刷の特徴をご確認いただく商品であり、同一の仕上がりを保証するものではありません。
  • 試し刷りと本注文で、版のズレ具合・インクの発色・ムラ・汚れなどは全く同じものになりません。
  • レトロ印刷は均一な発色の印刷ではないため、色校正は行っておりません。
  • 仕上がり見本と比較してのデザイン校正・誤字や脱字のチェックは行っておりません。